2024年(令和6年)の中小企業向け補助金の概要

2024年(令和6年)の中小企業向け補助金の概要

経済産業省関係令和5年度補正予算案の概要が発表されました。
まだ閣議決定の段階なので、決定ではありませんが今の段階でその内容と当事務所でのコメントを記載させていただきます。
概要としては「中堅・中小企業の賃上げの環境整備、人手不足対応、生産性向上を通じた賃上げ継続の支援に重点」となっており、我々が中小企業の現場を回っていてよく聞く言葉「人が足りない」に対して重心を深めた計画になっています。

【大規模成長投資補助金】
①中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金【3,000 億円】(R5 年度:1,000 億円)
地方においても賃上げが広がるよう、地域の雇用を支える中堅・中小企業が、足元の人手不足等の課題に対応し、成長していくことを目指して行う工場等の拠点の新設や大規模な設備投資を促進する。
コメント:大き目の規模での新しい補助金のようです。ものづくり会社などが新設工場を作るきっかけとできるものと思います。大規模成長投資が何を指すのか。(店舗、新築・改築、設備は何が条件なのか)など今後の事業要件の詳細化が待たれます。

【省力化投資補助事業&事業再構築補助金】
②中小企業省力化投資補助事業【1,000 億円】(中小企業等事業再構築基金の活用等含め総額 5,000 億円規模)
人手不足に悩む中小企業等のため、カタログから汎用製品を選んで行うような簡易なプロセスにより、省力化投資への支援を行う。
※従来の事業再構築補助金は、経済構造の転換に挑戦する事業者、コロナ債務を抱える事業者等に支援先を重点化。
コメント:文面からは事業再構築補助金を含めた残予算5,000億円を一部のみ事業再構築補助金として残し、他は新しく創設される省力化投資補助事業に充てられるように見えますが、詳細は具体化を待つ必要があるかと思います。

【中小企業生産性革命推進事業】
③中小企業生産性革命推進事業【2,000 億円】
生産性向上に取り組む中小企業・小規模事業者の設備投資、IT 導入、国内外の販路開拓、
事業承継・引継ぎを補助し、切れ目なく継続的に、成長投資の加速化と事業環境変化への対応を支援する。
コメント:文言からものづくり補助金、IT補助金、小規模持続化補助金、事業承継補助金
     は継続のようです。

もうひとつ注目したのが以下です。
⑤中小グループ化・事業再構築支援ファンド出資事業【120 億円】
中小企業における「グループ化」・「事業再構築」への取組は、既存事業の延長線上にない取組であり、非連続な成長を実現する上で有効な手段であることから、これらの取組を促進し、中小企業の成長を支援するため、独立行政法人中小企業基盤整備機構の出資によりファンドを組成し、「グループ化」・「事業再構築」への取組を通じた成長を目指す中小企業に対する、リスクマネーの供給、ハンズオン支援を実施する。
コメント:事業再構築を行う上での資金調達に身のあるものであることを期待します。

(参考)https://www.meti.go.jp/main/yosan/yosan_fy2023/hosei/pdf/01.pdf

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齊藤 肇

長年の外資系IT企業で培ったITシステム導入に関する幅広い経験と知識が強みです。またプロジェクトのマネージメント経験は豊富です。 現在は補助金支援を主に、IT導入、遺言・相続、会社設立、事業承継、企業経営全般まで幅広く中小企業支援を行っています。 主な著書に「老舗の強み」(共著:同友館)、「新世紀を勝ち抜く卸売業の情報システム」(共著:経営情報出版)、「ビジネス能力(3級)合格完全対策」(共著:経林書房)などがあります。