事業再構築補助金(第12回)前回からの主な変更について

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事業再構築補助金(第12回)の申請受付が開始されました。期限は7月26日(金)18:00までです。
各枠毎の補助金額や補助率、詳細な要件は事業再構築補助金事務局のホームページを参照いただければと思います。ここでは前回(第11回)からの主な変更点を記載します。

・事業再構築指針に示す「事業再構築」の要件に属することが要件という点は変わりません。
 「事業再構築の要件」は以下にあり更新はされていますが、主なところでは変動は無いようです。

・各枠の代表的なもとしては以下のとおりです。
1.成長分野進出枠
以下が要件であり、第11回までの「成長枠」「産業構造転換枠」がそのままスライドしています。
(a)取り組む事業が、過去~今後のいずれか 10 年間で、市場規模が 10%以上拡大する業種・業態に属していること【市場拡大要件】
(b)現在の主たる事業が過去~今後のいずれか 10 年間で、市場規模が 10%以上縮小する業種・業態に属しており、当該業種・業態とは別の業種・業態の新規事業を実施すること、又は地域における基幹大企業が撤退することにより、市町村内総生産の 10%以上が失われると見込まれる地域で事業を実施しており、当該基幹大企業との直接取引額が売上高の 10%以上を占めること【市場縮小要件】

これまでの事務局が指定した業種・業態は今回に引き継がれています。

この枠には「(A)通常類型」に加え、補助金額の上限が引き上げられる「(B)GX進出類型」があります。

2.コロナ回復加速化枠
「コロナの影響」や「経済環境の変化」という視点について、第11回までは売上減少が要件でしたが、今回は以下が要件になります。
(a)コロナ借換保証等で既往債務を借り換えていること【コロナ借換要件】
(b)再生事業者(Ⅰ.中小企業活性化協議会等において再生計画を策定中の者又は
 Ⅱ.中小企業活性化協議会等において再生計画を策定済かつ再生計画成立後3年以内の者)であること【再生要件】

期間収益の減少ではなく、財務的な影響を受けていること要件に変わることになります。

「(C)通常類型」に加え、最低賃金+50円以内の従業員が一定期間・一定割合いる場合に補助率が上がる「(D)最低賃金類型」があります。

その他、上記のいずれかに当たって、大規模な賃金引き上げを行う場合に補助金上乗せを行う
(G)中長期大規模賃金引上促進上乗せ措置があります。
その他(E)サプライチェーン強靱化枠、(F)卒業促進上乗せ措置があります。

・「金融機関からの確認書」ですが、11回までは「補助金額が3,000万円を超える場合」に必要でしたが、今回からは金額にかかわらず「金融機関から資金提供を受ける場合」になっています。
 またこれは「認定経営革新等支援機関による確認書」とは別に必要なようです。

・事前着手届出に関しては原則廃止です。
 原則以外とは10回、11回で申請していた一部の申請者が12回に申請する場合のみなので、12回からの新規の申請者には事前着手はできません。

・少し面倒そうなのが、事務局コールセンターは平日日中に電話をすればよかったのが、4月1日からコールバック予約システムに変わったことです。
 一旦予約をとり、後日コールバックしてもらう必要があります。

著者のイメージ画像

齊藤 肇

長年の外資系IT企業で培ったITシステム導入に関する幅広い経験と知識が強みです。またプロジェクトのマネージメント経験は豊富です。 現在は補助金支援を主に、IT導入、遺言・相続、会社設立、事業承継、企業経営全般まで幅広く中小企業支援を行っています。 主な著書に「老舗の強み」(共著:同友館)、「新世紀を勝ち抜く卸売業の情報システム」(共著:経営情報出版)、「ビジネス能力(3級)合格完全対策」(共著:経林書房)などがあります。