【事業再構築補助金の事業実施:一時的な資金需要に対応するリース共同申請という方法】

【事業再構築補助金の事業実施:一時的な資金需要に対応するリース共同申請という方法】

/

事業再構築補助金で採択・交付決定を受けた後での資金対応は課題となります。
基本的に設備導入を行った場合、一旦全額を事業者が支払いそのエビデンスをつけて補助金事務局に実績報告し、その確認などを経て補助金事務局から事業者に補助金の支払いが行われます。
例えば税抜き3000万円の工作機械で三分の二で交付決定を受けた場合、一旦3300万円を事業者が工作機械の販売会社に支払い、そのあと補助金事務局から2000万円の入金が事業者に行われる形になります。
一時的に支払う税込み3300万円やその後の自己負担金額税込み1300万円の調達をする必要があります。

リース共同申請はその名のとおり、事業者とリース会社が共同で申請する形です。
上記の例ですと、設備導入に必要な3300万円はリース会社が工作機械の販売会社に支払います。補助金2000万円は補助金事務局からリース会社に支払いが行われます。事業者は補助金相当分が減額された金額(税抜きとしては1000万円)分を対象としたリース料を月々支払えばよくなります。
この他にも
・設備に必要な保険設定はリース会社が行う形になる。
・補助金入金で発生する一時的な営業外収益に対する対応は不要になる。
などのメリットもあります。

一方以下のような限定やデメリットもあります。
・対象の経費は「機械装置・システム購入費」に限定される
・ファイナンスリースに限定されるため、リース物件の取得価格及び諸経費の概ね全額は支払う必要があり、全体金額は一括買取よりは大きくなると想定される

しかし、一括購入に比べ一時的な資金需要への対応は軽減されます。
一時的な資金調達に大きな負担がかかることを回避したい場合は検討いただきたい方法です。

著者のイメージ画像

齊藤 肇

長年の外資系IT企業で培ったITシステム導入に関する幅広い経験と知識が強みです。またプロジェクトのマネージメント経験は豊富です。 現在は補助金支援を主に、IT導入、遺言・相続、会社設立、事業承継、企業経営全般まで幅広く中小企業支援を行っています。 主な著書に「老舗の強み」(共著:同友館)、「新世紀を勝ち抜く卸売業の情報システム」(共著:経営情報出版)、「ビジネス能力(3級)合格完全対策」(共著:経林書房)などがあります。